【短編】疾風恋心






「芽衣子さあ……」






ピーンポーンパーンポーン

「間もなく閉会式を始めますので、
生徒の皆さんはグラウンドに並んでください。」



………。


………!!!



校内アナウンスで私は一気に現実に戻された。

気がつくと全ての競技が終わっていたらしく、
生徒は校舎の中で休憩していたらしい。



「ほら、さっさと起きろ。」

林クンが腕を引いて私の体を起こした。



「早く来いよ。」


そして何事も無かったかのように林クンは保健室から出ていってしまった。




乱れた髪を直しながらふと、思い出した。


『芽衣子さあ……』




あのとき、林クンはなんて言おうとしたのだろう…。







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