夢蝶 ~なによりも大切なもの~
男たちが、もう1度、男の子を殴ろうと
手を振り上げたとき、少女は動いた。
ーーーパシッ…
「…な!?」
少女が男の腕を止めたのだ。
男は、無理矢理動かそうとするが
その腕はビクともしない。
そんな状態のまま、少女は口を開く。
さっきとは比べ物にならない
とても低く、恐ろしい声で。
『俺が人を殴れない?ざけんな。
俺は、てめえらと違って、弱いやつに手なんて出さねえんだよ。』