好きになった人はホモ。

私は秋彦の背中をバンッ!!と叩いた。
そして、心の底から叫んだ。

「行って来いよ!!
あんたの友達はそんな事で嫌いになるような器のちっちゃいヤツなの!?
違うなら、あんたの親友信じてぶっちゃけて来たらいーじゃない!!」

突然の事にキョトンと口が半開きになった秋彦だったが、私の想いを受けて力強く頷くと、真崎の行った方へと駆け出していく――・・・。

私も続いて教室を出ると、秋彦に背を向けて逆方向に歩き出す――・・・。

「・・・実乃梨!」

廊下の向こうで、立ち止まって自分を呼ぶ声が聞こえた。

まるで金縛りになったように動けなくなる、私の体。
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