年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
胸糞悪いわ、と鎌谷は言いながら空になったマグを押し付けて給湯室を出て行った。別れたのにダラダラと関係するなと言いたいんだろう、由也くんを拒めなかった私が意思薄弱だって。
「三十路のプライドかあ」
マグを洗って片付けて営業部に戻る。朝会が始まる。部長の挨拶から始まり、売上が厳しいとか今日の予定とか話を聞いて最後に社訓を皆で合唱する。朝会が終わるとスーパーや百貨店担当のメンバーは部を飛び出していく。開店前の品だしを見るためだ。由也くんも今頃はデパートに出てるだろうか。そういや昨日、トラブルがあって、とか言ってたな、どうしただろう……。
「メールくらい、いいかな……。いややっぱり駄目だよ」
携帯を開いては閉じ、閉じては開く。大体、メールをしたいと思う時点で本心の私は由也くんと別れたがってはいない。理由をこじつけて由也くんと繋がろうとしてる。鎌谷が言うように、三十路直前に捨てられたなら、そんな薄情な男なぞこっちから願い下げだと忘れるのが筋なんだろう。未練がましく縋ってはいられない三十路直前、スパっと切るのが粋な女ってもんだろうと。
「三十路のプライドかあ」
マグを洗って片付けて営業部に戻る。朝会が始まる。部長の挨拶から始まり、売上が厳しいとか今日の予定とか話を聞いて最後に社訓を皆で合唱する。朝会が終わるとスーパーや百貨店担当のメンバーは部を飛び出していく。開店前の品だしを見るためだ。由也くんも今頃はデパートに出てるだろうか。そういや昨日、トラブルがあって、とか言ってたな、どうしただろう……。
「メールくらい、いいかな……。いややっぱり駄目だよ」
携帯を開いては閉じ、閉じては開く。大体、メールをしたいと思う時点で本心の私は由也くんと別れたがってはいない。理由をこじつけて由也くんと繋がろうとしてる。鎌谷が言うように、三十路直前に捨てられたなら、そんな薄情な男なぞこっちから願い下げだと忘れるのが筋なんだろう。未練がましく縋ってはいられない三十路直前、スパっと切るのが粋な女ってもんだろうと。