年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

 思わず声を出した私を男性はちらりと見た。慌ててレジへ行き、会計を済ませて外に出る。まさか彩乃はカフェのご主人と付き合ってるんだろうか。不倫じゃないか、あんな優しそうな奥さんもいるのにご主人もご主人だ。彩乃だって奥さんと面識ありながらご主人奪うなんて。私は電柱に隠れてご主人の跡をつけた。ご主人は確かに彩乃の住むマンションに向かっていて、私は確信した。途中で尾行を辞め、会社に戻った。

 退勤時刻になり、ログを書いて会社を出る。回転寿司なら現地集合でも良かったのにと思いながら大通りを歩いていると、欧州車が横付けされた。ウィンドウを下げた由也くんは、気をつけて、と言うと助手席に向き直ってドアに手を掛けた。私は後続の車に注意しながら車道から乗り込んだ。
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