年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 生理になったなんて嘘だった。でも由也くんとしたくない訳じゃなかった。ただ思い切り泣いてしまいそうで怖かった。由也くんとキスをして抱き合って、由也くんの肌に触れる。由也くんの暖かい胸が私の胸にピッタリとくっついたら甘えてしまいそうで……。披露宴をしてお色直しして皆に祝福されたい、なんて口が曲がっても言えない。だからエッチを拒んだ。


『体調大丈夫ですか? 由也』


 由也くんからのメール。大丈夫だよ、と返信する。きっと自宅に着いたんだろう。デートしたあとは大抵メールだった。今なら分かる。通話でなくメールなのは、家族に話し声を聞かれたらバレかねないから。


「私って鈍いなあ……」


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