年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 3つ年下の由也くんと知り合ったのは、私の営業先だった。試供品の箱を抱えたまま、由也くんはスーパーの勝手口から突き飛ばされていた。


『新入社員の分際で何が分かる!』


 店長の荒い洗礼を受けた由也くんはスーツ姿で尻餅をついた。どこかの新入社員、うちの会社じゃない。つまりはライバル会社。


『大丈夫~?』


 あまりにも見事に跳ね返された彼にお見舞いを言った。


『ここの店長、スーツでくると機嫌悪くなるから。気取ってんじゃねえ!って』


 私はその子の抱えていた箱を取り上げた。彼はゆっくりと立ち上がり、お尻の砂を掃った。


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