年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「やっぱり籍が欲しいか」
「……」
「どこの夫婦よりも甘い恋人でいるんじゃなかったのかよ」
「そうだよラブラブだよ。でもさあ」
「何だよ」
「ダイヤモンド」
「はああ? んなものボンボンに買ってもらえ。金はあるだろ」


 買ってとねだれば由也くんは買ってくれそうだ。でも何処につけてく訳でもない。所詮、恋人は恋人。婚約指輪は婚約者がするものだ。


「はああ……」


 私はバタンとカウンターに伏せた。由也くんが御曹司でなければいいのに、スマ乳の社長がワンマンでなければいいのに、私がライバル社じゃなかったらいいのに。今更どうなることでもないことばかりが頭を巡る。



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