年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 なら、今の私が、由也くんのために出来ること。


「うーん。やっぱり綺麗に別れてあげることかな。私って大人~っ」
「長谷川先輩は大人っていうよりオバチャンって感じですよお?」


 でもあのまま別れるのは嫌だ。自分の好物ばっかり並べた食卓。パニクった私。青ざめた由也くんの顔……。

 私は早速由也くんに今夜うちに来てとメールした。すぐに返事は来た、分かりましたって。私は頭の中で献立を考える。どうせ別れるなら綺麗に笑顔で見送りたい。立つ鳥後を濁さず、だ。由也くんの好きな焼き鳥、青菜の辛子和え、パイナップル入りの酢豚、日本酒。そうだ、黒蜜ときな粉たっぷりの白玉も熱々の玄米茶も。


「由也くん、喜ぶだろうなあ。ひひひ……」
「気持ち悪いですよ、長谷川先輩?」


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