年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「ぶっ……」
「当たり前だろ、同期として」
「あはは。そ、そうだよね」
「お前とは腐れ縁だからな、ずっと本社だし」
「うん……」
「俺、デブ専じゃねえから女の長谷川には興味ねーし」
鎌谷はそう言った。でも違うのは鈍いと言われる私にも理解出来た。鎌谷が私を慕うのは同期の腐れ縁ってだけじゃないって。鎌谷は突然私の方を向いた。
「だから……」
「ななな、何」
「だから長谷川はボンボンと幸せになることだけ考えてりゃいーんだよ」
「へ??」
「分かったか、ボケ」
「あ、うん……」
そのあと鎌谷はまた背中を向けた。何も言わなかった。二人で黙ってコーヒー啜る。その音だけが給湯室に響いた。