年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 綿菓子は由也くんに紅茶をご馳走する、由也くんが紅茶を飲む間綿菓子は箱を開けてうっとり眺めた。冗談めかしに、僕のお嫁さんになれば食器は全てあの店で揃えます、と言うと綿菓子は頬を赤く染めた。


「由也くんが押せば、いけそうじゃん……」
「いえ……。それが」


『副社長のお嫁さんになる方は幸せですね、うらやましいです!』


 と、綿菓子は天然極まりない発言をした。


「……天然過ぎる」
「そうですね……」
「でも部屋に入れるって相当だと思うし、下心が無いにしても」


 由也くんが強引に迫れば綿菓子は落ちる。そんな気がした。きっと由也くんもそう感じたんだろう……。
 互いに無言でマグの紅茶を啜る。きっとさっきのメモは綿菓子が書いたんだろう。暖かくて美味しいミルクティも複雑な味に感じた。





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