年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

 飛行機は離陸の許可が下りたのか、ゆっくりと動き出した。飛行機に乗る度に思う、ジェットコースターと同じ。何と無く怖くて、でも動き始まったら最後、降りる選択肢は消された、乗り続けるしかないって。


「それと……」
「それと?」
「ひとりの女性を幸せに出来ない人間が社内の人間を幸せに出来る筈がない、とも言われました」
「うん」
「幸せと言っても、スマイル乳業を一緒に背負うことになります。だから父を説得出来たとしても綾香さんにはまた茨の道かもしれません。それでも僕について来てくれませんか?」
「由也くん……。でもお父さんを」
「父を裏切るつもりもありません。綾香さんを手放す気もありません。僕はどちらも諦めたくない」

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