年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

 飛行機は轟音を起こして加速度を付け始めた。突然の由也くんの宣言に迷いながら、私は何かにすがりたい気持ちになった。多分怖かったんだと思う。あれほど憧れていた由也くんのパートナー。でも急に現実味を帯びてきて私は怯んだ。次期社長の由也くんとスマ乳を背負っていく、そんなことが私に出来るだろうか。


「必ず父を説得します」


 飛行機は更に加速度を増し、背中に重力が掛かる。そして車輪が鳴らす摩擦音が消えた。乗り掛かった舟……いや、乗ってしまった飛行機、後戻りは出来ない。

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