年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 ジェットコースターだって頂点まで登ったならあとは回転しようが急降下しようが、止まるまでしがみつくしかない。飛行機は雲の中をヤミクモに突っ込んでいく。先は見えなくても飛ぶしかないって言ってるみたいで。


「綾香さん、さっきの返事を」



 ……今更だ。茨の道なら今までもそうだった。由也くんと別れて東京を離れるのだって茨の道だ。何を今更怖がる必要があるだろう。


「由也くんっ、あの、私っ」


 由也くんはそんな私の心を見透かしたかのように笑った。

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