年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「主人は昔からああで、すぐに手が飛んできて……。ほら、昔は今みたいに体罰には煩くないというか当たり前の風潮でしたでしょう? その中でも主人は厳しい方でした」


 由也くんの母親は語り始めた。由也くんの父親と知り合ったのは父親が起業しようと牧場や工場など必死にツテを探している頃だった。自分の夢を叶えようとする熱血漢に溢れる若者、だがバイタリティがある分、気の短い由也くんの父親は回りの人間と喧嘩が絶えなかったらしい。そんな彼を見るに見かねて付き合うようになった。スマ乳経営が軌道に乗り結婚、落ち着いてから2人の子を設けた。

 由也くんの父親は厳しく育てた。食べ物の好き嫌い、挨拶、作法的なものにはうるさかった。ときに度を超えて叱ることもあり、スマ乳の売上高が順調に伸びるのと比例して、経営トップという過度のストレスからではとも思った。

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