年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

 勿論ベッドの上でそういう行為もする。由也くんは避妊してくれた。以前ならそれでも不安はあった。けれど私は妊娠に怯えることも無くなった。
 私もピルの服用を止めた。顔の浮腫も取れ、ずっと感じていた鈍い頭痛も無くなり、体が嘘のように楽になった。改めて副作用の仕業だったと実感した。足枷を付けて引きずっていた状態から解放されたみたいに軽くなった。

 由也くんとの関係は以前とは変わってはいない。父親にカミングアウトしただけで回りに公表もしていないし、本当に結婚出来るかも分からない。それでも気持ちは明るくなった。私はあの偽の結婚をするとき、ホテルの窓から夜明けを見た。それは同じ夜明けでも、突き落とされた地下室から僅かな明かりを見てそれを朝日だと思い込もうと自分に言い聞かせてた。でも今は違う。本当の夜明けを待ちわびる、待つ機会を与えられたのだと感じていた。
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