年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 由也くんと相談し、私は会社を辞めずに続けることにした。辞めてじっとしているよりはライバル社に堂々と勤務していたほうがいい、ライバル社にいても情報を引き出していないのを証明しようと由也くんが提案した。

 由也くんと父親は冷戦状態だった。全く口もきかず挨拶すらしない状態、用事があれば会社では秘書経由、自宅なら母親経由で話す。食事も互いに時間をずらして取ったりと母親はため息交じりに料理してるらしい。

 夜、私のマンションに来ると自宅には帰らずに朝まで過ごすことも増えた。ちゃんと母親には伝えて来てるんだろう。表情も以前よりは明るくて言葉数も増えて、気持ちが軽くなったのかと思う。きっと私の存在をひた隠しにしていたのが重荷だったと推測した。
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