年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「今日は僕がエスコートしますね」


 由也くんはうちのアパートに迎えに来るなり、笑顔でそう言った。道路には由也くんの車が横付けされていた。コンパクトカーだったけど、欧州製。付き合い始めの頃、私は歩道から車に乗り込もうとして運転席のドアを開けてしまって由也くんに笑われた。左ハンドルの助手席にも馴れてきたのに。

 由也くんは私を乗せるとまず高速道路に乗った。常磐道で北へ向かう。水戸で下りて海へ向かった。着いた先は半年前に来た水族館。


「イルカのショー、見損ねたでしょう。僕ずっと気になってて」
「あ、うん。見る見るう!」
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