年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 気持ち悪さで目が覚めると、知らない部屋だった。むっくり起き上がる。


「……っつ」


 布団、畳、濃紺のカーテン。枕元には洗面器やタオルが置いてある。


「……?」


 私が寝ていた布団の脇には黒く細長い物体。イメージとしては巨大ナメクジ……。


「ぎゃあ! ナメクジっ!」
「ったく誰がナメクジだって??」


 ナメクジが喋る。ナメクジが動く。脱皮をするようにナメクジから人がはい出て来て、枕元の目覚まし時計を手にした。


「まだ5時かよ」
「カマ……?」


 鎌谷は再びナメクジに戻った。

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