年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 鎌谷と一緒に出勤する。電車に乗り、鎌谷は何も言わずに私の荷物も持つ。彼氏でもないのにそこまでしなくてもと思ったけど、よほど私を惨めに思ったのだろう。三十路を目の前にふられた女……。

 会社に入り、自席に着く。パソコンを開く。メールやスケジュールを確認する。そしてスマイル乳業のホームページを開いた。会社概要をクリックする。スクロールする。出てきたのは由也くんの顔……。


「由也くん、おはよ……」


 画面の由也くんは微笑むだけだった。





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