しわくちゃになったら、会いに行きます。



 「触れたいのに触れられないって、結構キツいなって。


 それだけだよ。ごめん――いってらっしゃい」




 一瞬、寂しそうにはにかんで、彰太くんはいつもの笑顔に戻った。


 手を振って、あたしを送る。


 本当は色々問い詰めたい。


 でも、腕時計を見ると閉門までは5分をきっている。




 「うん。いってきます」




 諦めよう。今は遅刻しないように学校へ行かなくちゃ。


 昨日と同じように手を振り返して、あたしは登校路を駆け上がった。


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