しわくちゃになったら、会いに行きます。



 「どこの高校? 教えるよ」




 くすくす笑う男の子はそう言って歩き出す。


 え、ちょ、ちょっと待って。早い。


 なにこの人、なんでこんなに早いの。


 あたし、小走りなんですけど!


 息を切らせて続くあたしに気付いたのか、男の子は苦笑して歩調を合わせてくれるけど。


 あたしはゼーゼーハーハー忙しい。




 「さ、山茶花高……」




 どうにかそれだけを告げると、今度は彼、いきなり止まっちゃった。


< 16 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop