しわくちゃになったら、会いに行きます。


 あたしと変わらないくらいのスピードで、一生懸命体に血液を送ってる。


 トクン、トクン、と優しい鼓動が聞こえて、安心できる。




 「めっちゃ嬉しい。ヤバい、嬉しい。ありがとう」




 彰太くんが、本当に嬉しそうに笑った。


 あたしも嬉しくなって釣られて笑う。


 今度はどちらからともなく抱き合う。




 「愛してる、朱里」




 二度目の、名前呼び。


 ちゃん、が付いてないだけで、少し近付けた気がした。


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