しわくちゃになったら、会いに行きます。


 つられてあたしも視線を移す。


 そこには、なんの変哲もない夕陽があるだけ。


 不思議に思って彰太くんを見上げると、視線に気が付いた彼は「なんでもない」とはにかんだ。




 「さ、帰ろう。先輩にも、会いたいし」




 そして、また歩き出す。


 頷いて、彼の後ろを歩きながら、もう一度それを見やる。


 うーん、やっぱり分からない。


 でも。楽しそうに歩く彰太くんに思い直す。


 まぁ、いいか。


 話さなくちゃいけないことなら、きっとそのうち話してくれる。


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