しわくちゃになったら、会いに行きます。
彰太くんは一人呟いて、なにやら考え中。
あたしも考え込もう、彼が邪魔しないうちに。
そう思った瞬間、予鈴らしき音楽が鳴り響いた。
「あ、いけない! 遅刻する!」
咄嗟に駆け出し、あたしは彰太くんに礼を言っていないことを思い出し振り返る。
しかし、今の今まで傍に居た彼は、忽然と姿を消していた。
「足、速いなぁ」
歩くスピードも早かったなぁ。
きっと、なにかスポーツをしているのだろう。