しわくちゃになったら、会いに行きます。
助かったぁ。
泣きそうなあたしの元に近づいてくる彰太くんが、本気で神様に見える。
あぁ、神々しい。
「昨日、上の空で歩いてたから。今日もまた迷ってるんじゃないかと思って」
素敵な笑顔を浮かべているわりには、キツイお言葉をいただく。
本当のことだから、あたしは言い返せない。
苦笑混じりに「こっち」と誘導してくれる彼は、あたしの数歩先を影もないまま歩きはじめた。
当然、足音もなければ、砂利を踏みしめる音も、一人分だけ。
……なんだか、空しいなぁ。
ふぅ、とため息を漏らした。また、幸せが逃げちゃったな。