涙空

そんな私の願いを却下するように、そして、慰めるように、立花は私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。




「ちょ・・・っ・・・何っ・・・するの・・・っ・・・？」



「頭撫でてんだ。大丈夫だ。理由は知んないけど、笑ったりしないから。圭太達も先に勉強してるみたいだから、泣きたいだけ泣け。」



立花は私の頭を撫でながら、優しく笑った。



初めて見たかもしれない。



コイツが、優しく笑うとこ。




立花に頭を撫でられながら、私は小さくなって泣いた。


立花の手は凄く暖かくて、優しくて、そして、安心した。



立花は黙って、泣いている私の頭を撫で続けた。



立花の私の頭を撫でる手のぬくもりを、私はきっと忘れない。