天体観測の夜は月に願いを…
それから後の気温計測には、祈織がついて来てくれた。
二回目の望遠鏡の技術指導には、祈織と克行先輩を含む
お手伝いのOB、戸塚と他の三年の男子が中心になって行われた。
一回目に頑張ってくれた先生は年寄りは早く眠くなると、
引っ込んだ。
祈織と克行先輩それと戸塚の所には女子部員が集中していた。
ちょっと面白く無かったが、奏愛と二人でしょうがないなあと笑った。
午前二時を過ぎると部員たちにも疲れが出てくる。
みな思い思いに固まり、机に伏せて仮眠を取るなどして休んでいた。
祈織もバイト上がりで疲れたのか伏せて寝ている。
周りから見えないように気を使いながら髪をそっと撫でる。
用意して来たクォーターケットをそっと掛けてから屋上へと向かった。
空が見たい。
今日は新月だ。
月明かりが邪魔にならず、星をハッキリと見ることが出来るはず。
雲が出ていなければだけど。