SakuIGamE
上司の許可を得られた僕は、堅苦しい青い制服を脱いで私服に着替えると、とあるサーカスに足を運んだ。

まさか人生初のサーカス観覧が、ゲームの中になろうとはね・・・。

この世界ならではの演目――
モンスター曲芸に魔法曲芸・・・って、魔法がアリでサーカスとして成り立つのかな?

『お次は、魔法使いと新人踊り子のスペシャルコラボレーション!!』
団長がマイク片手に盛り上げると、魔法使いの風の魔法に包まれて、一人の少女が姿を現す。

アラビア風の衣装を纏った黒髪の少女――
気のせいか、彼女を凄く知っている気がする・・・。

「わあぁ、すっごくカワイイ踊り子さんッスね、シューマ副長!」
「うん・・・。ソウダネ・・・」
ちなみに僕の隣で嬉しそうにはしゃいでいる彼はシルフィスといって、僕の部下に当たる人物だ。

――うん。間違いない。
あの踊り子――実果ちゃんだ。

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