SakuIGamE
「全く。やっと起きたかと思ったらコレなんだから。さっさと行くわよ、ジークイル」
「じーく・・・?」
もしかして俺?と思って人差し指で自分を指してみる。
「そーよ、アンタの事よ。『闇討ちのジークイル・スタンバード』、そしてアタシはアンタの相棒のソニア。――どう?思い出した?」
「全然」

ごんっ。
今度は本が飛んできて、その角が頭に直撃した。

「闇討ちの・・・って、俺は暗殺者か何かかよ!?」
「何年やっててそれを言うのよ」
「なあ、俺の弟達知らね!?ツリ目で茶髪の――」
「あんた一人っ子じゃない」

・・・そうか。
つまりゲーム内の設定なんだ。
それ以上の情報は、この女――ゲームキャラに聞いても無意味って事だ。

「・・・うん、そうだった。俺、闇討ちとかしてました。なんか寝惚けてたみたい」
とりあえず話合わせとこう。
「あぁ、やっと今目覚めたって訳ね。じゃあとっとと仕事行くわよ」
「え?仕事って・・・闇討ち?」
「当然」
「マジかよ!?」
ゲームとは言え、人殺しさせられんの俺!?
「まだ寝惚けてるみたいね。脳ミソ撃ってやろうか?」
ジャキッ、と拳銃を構えてみせる彼女。
「ご冗談を」
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