それでも僕は君を離さない
どこかおかしい。

いつもの彼女なら新しいものに対してもっと慎重だ。

「これが一番好きな味かも。やっぱり飲み比べてみないとわからないものね。」

彼女は4本目に手を出した。

「奈々。それ以上は控えた方がいい。」

「大丈夫。軽いから。」

「酔いつぶれる。」

「まだ酔ってないし、ちゃんと食べてるし。」

「俺は知らないからな。」

「お気遣いをありがとう。」

と言って意味もなく笑い始めた。

すでに手遅れの有りさまだ。

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