それでも僕は君を離さない
『私はいつも正直でいたいと思っています。このメールを送ることで透吾さんを傷つけてしまったらと思い、なかなか伝えられませんでした。私は恋愛感情に乏しく何も応えられないまま今になり、このまま付き合いを続けていく自信がありません。どうしたらいいのか考えても答えが見つからないのです。それが今一番苦しく、そこから前に進めていません。透吾さんはどんな感じでいるのでしょうか?たぶん私にもっと恋人らしく振る舞う部分があってしかるべきだと思っているのではないですか?』送信

私は気持ちを文字にできてホッとした反面

彼からどんな返事がくるか不安もあった。

着信『奈々。メールをありがとう。君をつらくさせていたことに気づかなかった。ごめん。許してもらえるだろうか?話したいことがたくさんありすぎて、何から言えばいいかわからない。君は僕から離れてしまうのだろうか?付き合っていく意味がないからか?たとえ君がそう思っていたとしても、それでも僕は君を離さない。なぜなら君を愛しているからだ。改めてもう一度僕を見てくれないか?』

私は透吾さんの言葉に動揺した。

彼の気持ちが強すぎて

私にはストレスでしかないと感じた。

返信はしないでおいた。

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