それでも僕は君を離さない
透吾さんからのしばらく会わないというメールを読んで

私は彼を傷つけたことを後悔していた。

何か返信しようにもいい言葉が浮かばなかった。

こんな風になるならもう誰とも付き合わない方がいいとさえ思った。

笹尾先輩が入社したことが気がかりで

それは透吾さんの私への想いという負荷よりも強かった。

先輩とは卒業以来音沙汰なく

最後に会った時もいつもと同じで

「じゃ、またメールする。」のひと言だった。

不安が増してきた。

先輩の行動は予測できないからだ。

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