Secret Rose
ホワイトスイートピー
花に花言葉があるのは知ってるやんな。でもな・・・ひとつの花でも色ちゃうだけで、花言葉まで違ってくんねん―――

あの人はそう言って、私にうすい黄色のバラをくれました。
それは あの人が私にくれた 最初で最後の花でした。



私は花が大好きで 高校に通っていた頃、週に一度は教室に花を持って行き、学校の花瓶にいけていた。

小学校の頃は お花係があって 花を“いける”のが仕事だったが、さすがに高校にまでは そんな係事はなく、友達からは『よぉやるなぁ。私やったら押し付けられてもせぇへんわ』なんて 褒められているのか、馬鹿にされているのか、よくわからないことを言われていた。

私もはじめは、好きで花を持って行っていたわけではなかった。
母が趣味で、花道や園芸をやっていて、花や木々を綺麗な状態に保つためには、余分な花を切らなければならないらしい。
それで、間引いた花を『もったいないから』という理由で学校に持って行かされていた。
しかし血筋はあなどれなくて、そうしているうちに私もだんだん花が好きになってきていた。
教室にある花が枯れてなんかいた日には、いてもたってもいられなくなっていた。
花は空気をよくし、枯れた花は風水的にも気が乱れるということを聞いたことがあったし・・・。

そんな私の高校時代のお話。

< 1 / 65 >

この作品をシェア

pagetop