歪んだ愛しさ故に
11章 嫉妬からの答え
 
「上沢さん……」

「んー……あー……どうすっかなぁ……」


立ち尽くすあたしに
頭をかきながら何かを考え込んでいる上沢さん。


離れた向こうには、まだ健太の車が停まっている。


「どうすんの?このあと」

「え……?」


一度上を見上げた後、上沢さんはじっとあたしを見据えた。

何かを試すような、挑発めいた瞳。
どう答えようか戸惑う。




「このまま俺んち来る?

 でも多分今部屋来たら……



 お前のこと、壊しちまうかも」



「……」



ドクンドクン、と
警告音とも取れるほどの心臓が動き出した。


それほど、そう言ったときの上沢さんの瞳が
獣と化した瞳をしていたから……。
 
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