歪んだ愛しさ故に
 
ちらりと振り返ると、やっぱりそこには健太の車が停まっていて……。

降りることはしないけど
じっとあたしたちの様子を伺っている。


あたしの選択肢は3つ。


上沢さんの部屋に上がるか、
健太のもとへ行くか、
自分の家へ駆けこむか……。


だけどそんな選択肢、3つも必要なかった。

あたしが求めている答えなんか、最初から分かり切っていたから……。
 
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