歪んだ愛しさ故に
 




「ん……ぁっ……」


近くにあった、ラブホテル。

部屋に入った瞬間、襲いかかってきたキスの嵐。


衣服を脱ぐのすらもどかしくて
全てを脱ぎ切らずにお互いを求めた。


「拓……た、くっ……」

「琴音っ……」


乱れた呼吸と、卑猥な音。

それだけが部屋の中に響き渡る。




あたしはもう、
狂っていた。


人生で初めてした恋に…
無我夢中で相手が欲しいというこの想いに……。




相手が自分を好きじゃないと分かっていても
この腕を離したくないと強く思った。

< 187 / 287 >

この作品をシェア

pagetop