Love song from dieting ~67㎏から45㎏への恋唄~

ついになりたい自分が見つかる

「先生は
スタジオの真ん中に私を引っ張って行くと、
しばらく宙を見て黙っていた。
私も黙っていた。
すごく長い時間に感じた」


言い訳が一切出来ない状況で、
光ちゃんの自己嫌悪や
叱られる事への恐怖が
手に取るように伝わって来ました。





「先生は
不意に聞いた。


『いつもなの?』


意味が分からず黙っていたら、
険しい瞳で私を見ながら
もう1回聞かれた。



『いつも、
あの時間にコンビニとかで
食べ物を買ってるの?』


私は
ぼそぼそ答えた。


『…………いいえ。
スタジオに来るようになってからは、
初めてです』


先生は再び宙を見ながら言った。


『そうだよね。
順調に体重は減っていたし、
最近も増えていないし』


私は
もう背中を丸めて
穴があったら入りたい心境で、
ようやく言ったの。


『……すみません。
あの…………もういいです。
今まで……………………………ありがとうございました』



















先生は
思いがけない言葉を言った」





どんな罵り言葉かと、
私は思いました。

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