大好きな君 〜守と花のSTORY〜
シーンと静まり返る病室。
『…私だよ。』
沈黙を破ったのは、華だった。
『…な、んで。自分から落ちてたじゃ……。』
『っ、花、ちゃん…。嘘はやめて。私を落としたのは、花ちゃんじゃん。』
私が言うのを邪魔するかのように華が泣きながら言う。
『…ね?今なら、許すから…。だから、…謝ってよ。』
…何を言ってんの?こいつは。
私が落とした?
嘘ついてるのは華じゃん…。
なにその、いかにも私が犯人みたいな言い方。
『…は?何言ってんの?私、落としてないし。』
『…ヒック、花ちゃん。なんで?私に「〝はな〟は1人しかいらない。」って言ったじゃない…!』
『っ!言ってなっ……』
ーボコッ…
…うっ、いってぇ。
うぇ、血の味するよ、口の中…。
今度は、海斗に口元を殴られた。
『花っ!!お前、最低だよ。マジで…。華は、龍姫なんだぞ?命に変えてでも守る大事なやつなんだぞ?…なにしてんだよ……。』
吐き捨てるかのように私を殴り終えた後言った。
『…花。…見損ないました。俺は、貴方を目標に幹部になったのに…。仲間を突き落とすなんて…。』
陸斗が睨みながら言う。
『…ちょ、っと待ってよ!!なんでそいつを信じるわけ?誰か見てたの?ねぇっ!』
…みんな、何言ってるの?
なんで、華の言葉を信じるの?
なんで?…どうして?
『…花、出てけ。俺らの華がお前を怖がってる。話は後だ。』
…〝俺らの華〟?
確かに、震えている。
蒼たちにバレないように、私を睨みながら…。