幽霊ナイト



「簡単」

「簡単?」


湊君はわたしの頭に手を置き、軽くポンポンと撫でて、その後どこか違う方向を見ながら


「―俺が比芽を守ってあげるよ」

そう言った。


どうしてかな。
知らない人で、今日あったばかりの不思議な人なのに、

何故か懐かしい気持ちになり、

そして、信用してしまった。


わたしの胸はドキドキと高鳴っている。

何も言わない私に対して湊君は「ああ、やっぱりこういうのは顔を見てから言った方がいいか」と言い、私の方に体を向き直した。


そんな湊君にぷっと吹き出して笑ってしまう。

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