幽霊ナイト
「守ってあげようか?」
疑問系で言う湊君に吹き出して笑ってしまった。
わたしは「守ってくれますか?」と疑問系を疑問系で返す。
次はわたしの顔を真剣に見ながら
「守るよ」と言ってくれた。
「ねえ、湊君は…」
色んなことが聞きたくて聞こうとした時
――キーンコーンカーンコーン
昼休みを終えるチャイムが鳴った。
「昼休み、終わっちゃった」
湊君は「また明日おいで、教えてあげるから」と、また“あの目”にしてわたしのおでこをこついた。
本当は今聞きたいんだけど、授業受けなきゃだし。
「分かった!じゃあまたね、湊君」
わたしは湊君に手を振る。
そんなわたしを見て、湊君は「0点取らないようにしっかり勉強しておいで」と微かに笑って言った。
え!聞いてたの!?
そう言いたかったけど、わたしは湊君をチラリと軽く睨んだ後、屋上をあとにした。
睨んでも、羞恥で顔赤かったから意味無かったと思う。