お姫様と若頭様。【完】




「えっ…ええっ…?」



突然のことに凄く驚く私。


なんか皆がいる前で…恥ずかしい…。




「俺、実はこれでもここの総長なんだ。

あの街には変な奴が多くて俺らは上から
あそこら辺の治安維持を任された。


そこで楪ちゃんに会って…。


初めて見た時から凄く惹かれてた。



また君に会えた時には勝手に、
本当柄にもなく"運命"だって思った」


…うん、
本当はあの時私も思ったよ。


こんな広い世界で、こんな小さな存在の
私が、また会いたい人に会えるなんて…


どこか"運命"を感じていたの。


まさかこんな大きな族の総長様だなんて
思いもしなかったけど。



「はっきり言って、
まだ言うつもりなかったけど…。




…俺の彼女として、
俺ら紅蓮の姫になって欲しい。



俺らが…俺が全力で君を守るから」








まだ会って間もない人。


それでも会った時から凄く優しくて
何より私を優先してくれて…。


凄く周りから慕われてて、
心が温かい人。


私を守ってくれるその背中は大きく、
そんな彼に惹かれたのは事実だ。




…私を守って欲しい。








…だけど……



「迷惑じゃない?

私なんかがいたら
皆の足を引っ張りそうだよ」



何よりも、皆に迷惑をかけたくない。


その思いがとても強い。



いっしょにいたい。


本当は…

もっともっと、
一緒にいたいって思うよ。



…でもそう思うだけではダメでしょ?



私の我儘で一緒にいて、
それでもし皆が怪我したら…?




"私の所為"



それだけじゃ済まされないんだよ…。


皆を傷つけたくないの。


私の為に傷つかないで欲しいの。


…皆が傷つくくらいなら、
私が皆の代わりに傷つくから…。





「楪ちゃん」


彼の凛とした声が響いた。



「俺らが姫になってって頼んでる。


…迷惑だったらそんなことしないよ?







俺には楪ちゃんが必要だ」










…あぁ、あなたの言葉一つで
こんなにも救われる。



欲しい言葉をくれる。






だから私はもっと、
あなたといたくなってしまうの。
















「姫に…彼女にしてください」






とびっきりの笑顔で、
宵さんの顔を見た。



そしたらまたそれ以上輝く笑顔で


「ありがとう」


彼は言ったんだ。






「ありがとう」
それを言うべきなのは私なのに。


その言葉は凄く、
魔法のように聞こえたの。


あの時救ってくれてありがとうって、
何度言葉で伝えたって足りないんだよ。






あなたの笑顔が素敵だなんて、
これから何度思わされるのだろう。




"必要だ"



あなたの言葉はなぜ、
こんなにも私を嬉々とさせるのだろう。




まるで魔法を唱えたかのように、
あなたの周りはあなたがいるだけで
光り輝くの。



あなたは皆の『太陽』



私も皆も、優しく照らす大きな存在


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