お姫様と若頭様。【完】

【楪side】


怖い…怖い…。


闇がすぐ側まで迫ってる。





逃げることも受け入れることも出来ずに
ただすぐ側にいるのだけを感じてる。







…あの人があそこにいると
確信できるなら、


私は迷わずあの闇に飛び込むことが
出来るのに……。





ねぇ、あなたはどこにいるの?



私のこと、見えてる?




ちゃんと罪は償うよ。



私のこと、見てて。



ちゃんと、見てて。


あなたのために
死んだっていいと思えるの。




あなたのように誰かを守れて死んだなら
罪を償うことはできる?


あなたのように皆にたくさん好かれたら
守ることはできる?


分からないよ…分からないから私はただ
彷徨っているの。



終わりのない迷路、、、

1ピース足りないパズル、、、




あなたのこと恨んでない。



私をこんな風にしたって凱瑠は言った。





でもいいよ。




こんな風になってもあなたを愛してる。




あなたのために…あなたのために…。






そう思うことさえいけない?



こんな人間が、
あなたを想うことさえいけない?














ねぇ、









会いたいよ…。
















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