お姫様と若頭様。【完】




私、峯ヶ濱 聖は、
ただいま彼に片想い中。



圧倒的存在感と途轍もなく整った顔


成績優秀・運動神経抜群・容姿端麗

それに加え彩狼総長の地位と
家もお金持ち




そんな彼は、
周囲の心を射止めて止まない。




皆そんな彼のオプションに釣られるように彼に魅せられた。


彼に、と言うより、彼の持つモノに。




私も地位で見られることは多少あった。


それは私がまだ幼い、峯ヶ濱とハッキリ名乗っている頃だった。


幼いながらパーティーへ顔を出すと
知らない大人にお父様によろしくね、と
声をかけられたり。

はたまた、
連れ去られそうになったり。


今はそんなのを危惧してパパが偽名で
私を学校に通わせてくれている。



だから私の周りには地位で寄ってくる人は減っていた。


そう、"減っていた"



でもこんな時厄介なのが私の見た目。

私の顔が好きだと、スタイルが良いと、
異性が寄ってくるようになった。


過度なボディタッチや、
女子からの鋭い視線。


自分の顔やスタイルなんて元々なんとも
思ってなかったのに、
途轍もなく嫌なものになった。



そんな時出会った彼。

たくさんの人がそんなものにつられて寄って来ているのに、彼は全く気にせず、
むしろ凛としていた。


その姿は私の知る、尊敬するあの人に
とても似ていた。


とても綺麗な髪を靡かせる、
整った顔と完璧なスタイルの持ち主。



誰もが憧れ、その美しさに溜息を吐きたくなるほどのあの人。

何よりその纏う雰囲気が皆に息を飲ませ
感服させた。


私だってあの人に憧れる一人だ。



そんなあの人を思い出させる彼は
とても凄い人なのだろう。



"かっこいい"って言葉じゃ足りなくて、
"美しい"そんな言葉が合う彼。



第一印象は実に良いものだった。

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