お姫様と若頭様。【完】
無邪気そうなその声に振り返ると
別のところから来たのか一人の男。
小柄で可愛い系の顔。
声がしたって…まさか男の声がしたから
寄って来たのか?
こんな子供みたいな小さい奴が?
好奇心でつっこんでやられたとか
シャレになんねぇぞ。
そいつの目が
倒れている男の前に立つ俺を捉える。
「ん?これ君がやったの?」
そう言って不思議そうに
首を傾けて聞く男は、
誰が見ても幼い子供にしか見えない。
目が大きくて、くっきりの二重。
長い睫毛。
厚めの唇に白い肌。
マジでこいつ危なっかしいわ。