プリンセスと5人のナイト!?
「はぁ…」
いつもなら華恋と2人でいる時は楽なはずなのに…。
今日も家に帰ったらあの5人がいると考えたら気分が沈む。
「おい、かんな?マジでどうたんだ?今日はそんなに溜息ついてさ。」
華恋は大きなメロンパンに女の子らしからぬ大口を開けてかぶりついている。
「う〜ん。家なくなっちゃったんだよね。」
私もフォークでちょびちょびとお弁当を食べ始めた。
「は!?家がなくなった!?あのナントカ荘とか言うボロいアパートか!?」
華恋…口からメロンパン出そうだよ。
「うん。それでね…「じゃあ今ホームレスなのか!?そりゃ面白い!ハハハッ」」
…私がホームレスになる訳ないでしょ。そんな事するなら屋敷に帰る方がマシだわ。
「違うわよ。ちゃんと家はあるの。」
その家が訳アリなんだけども。
私がそう言うと、華恋は心底残念そうな顔をした。
「なぁんだ。家あんのかよ…」
ちょっと、何でそこ残念そうなのよ?
「まぁ聞いてよ。その家って言うのはシェアハウスなわけ。」
「シェアハウス?」
「えぇ。」
「ふーん…楽しそうじゃねぇか。」
「全然っ!だって全員男なんだもの!しかも野獣ばっかり!」
いや、性獣と言った方が正しいかしら。
「男の中にかんな1人?」
「…うん。」
「ギャハハ!そりゃ傑作だわ!」
「笑い事じゃないわよ…襲われたらどうするの。」
私がそう言ったら、華恋は急に真面目な顔をして
「かんなを襲う男がいたらあたしがすぐ駆けつけるから。安心しな。」
そう言ってくれた。
華恋って、そこら辺の男より男らしくてカッコいいと思う。
「ま、かんなを襲う男なんていないだろうがな!ギャハハ!」
…たまにヒドいけど。
私達はご飯を食べ終え教室に帰ったが…なにやら廊下が騒がしい。
特に女子生徒達は自分の教室から身を乗り出して廊下を見ている。
「何事…?」
「あ!かんなさん!こっち来てみなさいよ!今からファイブ様がお通りになるのよ!」
……いつものオドオドした感じは何処行ったんだ、取り巻きよ。
てゆーか、ファイブ様って誰よ?
「「「「「「「キャーッ」」」」」」」
うるさい…ホントに何事よ!?
私は女子生徒がキャーキャー言ってる廊下に目をやる。
「蒼空く〜んっ!」
「藍沢くんっ!可愛い…」
「朝陽ぃ〜!」
「玲央くんイケメン…」
「私を猛の唇にしてぇ〜!」
…んん?今の名前、ものすごく聞き覚えがあるんだけども。
しかもなんと、廊下を見ながら倒れる人続出。
「………!?」
そして、私が廊下を見ていたら聞き覚えのある名前に見覚えの顔達が。
そこにいたのは…あのカラフル頭美形軍団でした。