好き、だから抱きしめて
物音で目覚めるとちょうど藤宮が帰って来た所だった。泣き顔を見られたく無くて急いで部屋に戻ろうとした背中に。
『美海。昨日はごめん』
藤宮のちょっと切ない声。
「謝らなくていいよ。大した事じゃないから」
背中を向けたままで答える。
『あいつはさ、前の…「私には関係ないから、説明なんていらないよ」
急いで部屋に入り扉を閉めるとその場に崩れ落ちた。
なによ。今まで謝ったことなんて無いくせに。
でもこの一件で改めて気づかされた自分の心。
私は…藤宮が好きなんだ。
『美海、入るぞ』
声が聞こえたと同時に扉が開き、藤宮が私を
抱きしめる。その腕の温かさに涙が止まらない。