キミのイタズラに涙する。
「言ったらお前の集中切れるだろ
まっ、沙良の集中力なんて無いも同然だけどな」
「何よそれ!!!」
そうやってたわいのない話をしている時は前に戻ったようだった。
「でもさ実際よくなってるらしいんだ
もしかしたら抗がん剤治療やめられるかも」
「本当に!?!」
「ああ、」
隆平の嬉しそうな声が私までも嬉しくさせる。
「そしたらみんなでどっか行こうぜ」
「うん!!」
隆平が元気になればまたみんなでどこかに行けるんだ。
そのまま学校復帰だって夢じゃないかもしれない。
私は嬉しさをこぼしながら隆平に笑顔を見せた。