弟系男子が『弟』をやめた時。
派閥とか怖いよね


*********************



『俺の雑用やっといて。』



文化祭の委員になって、何週間か経った。


馬鹿なんかってほど聞いたこのセリフ。


今日もまた眞樹原と一緒に

職員室まで呼び出しを受けた。




また、雑用かよ。


そう思っていたのに、

高岡ちゃんの言葉は予想に反するものだった。







「今日の昼休みに

委員の集まりみたいなんあるんでー、

頑張ってください。」


ほいっと言って高岡ちゃんが手渡す紙には

『文化委員へ』と書かれている。




「まじけ!」


「まじ。」


「高岡ちゃん!

私はまさにこういう仕事を

持ってきてほしかったんだよ!」


「そっか、嬉しいな。」


高岡ちゃんのパシりに飽き飽きしていた私は

初めての仕事らしい仕事に

思わず声を張る。



「本当にパシりばっかだったよな。

高岡せんせーの。」


「ごめんなー。眞樹ちゃん、ついでに

コーヒーがなくなったんだけど…。」


「」



眞樹原はすごいイラついた様子だったけれど

無言で高岡ちゃんのマグをひったくり

コーヒーを淹れにゆく。





「てか、眞樹原って高岡ちゃんのこと

先生とか呼んでたっけ?

前まで高岡ちゃんじゃなかった?」



前から悶々としていた疑問を

思い出して、高岡ちゃんにきいてみる。



すると、高岡ちゃんは鼻で笑って

ちらりと眞樹原を一瞥した。



< 67 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop