銀河うさぎの夜
次に
次に

銀河うさぎが訪れたのは

さるの星です。



ここには

いろいろな種類のさるが暮らしています。



その中でも

めがねざるは

目がいいことで有名でしたので

銀河うさぎは

めがねざるなら

国王うさぎの娘を探せるのではないか

と考えました。



銀河うさぎが

「さるの星駅」に着くと

ちょうどそこには

駅の清掃員をしている

めがねざるのおじいさんが

掃除をしていました。



「こんばんは。めがねざるおじいさん。」

「おやおや、こんばんは。今日はずいぶん遅くまで働いているのだねぇ。」

「いえいえ、実は、わが月の、国王うさぎの一人娘が
家出をしてしまったので探しているのです。
おじいさんのそのどこまでも見渡せる目で探してもらえないでしょうか?」

「やや、それはたいへんじゃ。さっそく探してみようかね。」



そう言って

めがねざるおじいさんは

目をぎょろっと見開きました。



「どうですか?みつかりましたか?」

「いやいや、まだまだじゃ。」



めがねざるおじいさんは

さらに目をぎょろろっと見開きました。



「どうですか?みつかりましたか?」

「いやいや、全然みつからん。」



めがねざるおじいさんは

さらに目をぎょろろろろろっと見開きました。



すると

ポロッポロッと目が落ちてしまいました。



「おやっ!目を見開きすぎたようじゃ。
目が落ちてしまった。何も見えない。これではもう、探せない。すまんのう。」

「いえいえ、探してくれてありがとうございます。
どうぞこれをさしあげます。お大事に。」



そう言って

銀河うさぎはボンドをそっと渡し

さるの星を去りました。
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